小夜時雨 9


 それからさらに数日後。  グレートに劇団の稽古場へと呼び出された松本かおりは完全に困惑していた。
 あの日―この稽古場で一対一の演技指導をしてもらって以来、グレートからの連絡はふっつり途絶えてしまっていたというのに。
 けれどそれも仕方のないことだと思っていた。最後までどこか納得の行かぬ風情のグレートに半ば無理矢理頼みこみ、丸半日以上もつきっきりで特訓してもらった結果があの有様だったのだから。
 グレートは懇切丁寧に指導してくれた。どうしてもあの台詞が言えないかおりに適切な助言を与え、慰め、励まし―そして時には声を荒げて叱りつけてもくれた。いくら繰り返しても言葉が出ずに癇癪を起こすと、気分転換だと言って他の場面の稽古に切り替え、かおりが落ち着くのを辛抱強く待ってもいてくれた。それも、かおり以外の登場人物全ての台詞を引き受けてまで。夜も遅くなり、不本意ながら稽古を終了したときには鍛えられたグレートののども限界を超えていたらしく、声が随分と嗄れていた。
 そこまでしてもらっていながら、とうとうただの一度もあの台詞を口に出すことができなかった自分。たといグレートに見捨てられたとしても、どうして彼を恨んだり責めたりすることができよう。
 しかしおかげでますますかおりが追い詰められてしまったのもまた事実―すでに初日までには半月を切り、口には出さねど団員たちの間にもかなり焦りが広がっていた。自分たちがどんなに頑張っても肝心の主役、主宰者兼看板女優がこの体たらくでは公演成功など到底おぼつかない。その不安がかおりと劇団への不信や失望に変わる前に、何とか手を打たねばならなかった。
 代役を使うか、脚本を書き換えるか。どちらにせよ、今日明日中に決断しなければ取り返しのつかないことになる…というところまでかおりは切羽詰まり、昨夜も一人悶々と眠れぬ夜を過ごしていたのだ。
 そこへ突然、もう十日以上も音沙汰なしだったグレートからの電話が入ったとくれば驚かない方がどうかしている。しかも、その内容はあくまでそっけなくて。
(もう一度、二人きりであんたに会いたい。…ああ、もちろん稽古場で、それもできるだけ早くだ。…何? 明日は半日オフで稽古は午後から? よしわかった。それじゃ明日の午前十時、一人で稽古場に来てくれ。それじゃ)
 言うだけ言ってこちらの返事も待たず、がちゃりと切れてしまった電話。「稽古場に来い」というからには例の芝居がらみの件に間違いないはずなのに、ただ「会いたい」というだけで稽古のけの字も出なかったのがどうにも解せない。
(それでも一応、稽古着と脚本は持ってきたけれど…)
 物音一つしない稽古場でたった一人、稽古着姿でぽつねんとたたずむかおり。その視線が、ついつい壁の時計に向けられる。現在時刻は午前九時五七分。約束の時刻まで、あと三分を残すばかり―。
 そして、時計の針が午前十時をさした瞬間。
「やあ、かおりさん。突然呼び出して申し訳なかった」
 かおりの背後、男性更衣室のドアが開く音とグレートの声が同時に響き、かおりは文字どおり飛び上がった。
「い、いやだグレートさん。先に来ていたんならどうして一言かけてくれな…」
 しかし本当の驚きが待っていたのはその直後。少しばかりむっとして振り向いた先に立っていたのはグレートではなく、髪の色も目の色も黒い、まぎれもない日本人ではないか。
 それだけじゃ、ない。
「あ…あ!」
 息を呑み、硬直してしまった女優の手から、抱えていた脚本がばさりと床に落ちた。
 男が、かすかにうなづく。
「ああ、そうだ。これは上城敬(かみじょう けい)氏―TV業界で今をときめく人気脚本家にしてあんたの元のご亭主―の、扮装さ」
 言うなり幾分長めの黒い髪をつかんでむしりとれば、その下から現れる見事な禿頭。
「彼と俺とは背格好が似てるからな、そう難しくもなかったよ。顔はメイクでいくらでも作れるし―もっとも目の色だけはどうにもならなかったんで、カラー・コンタクトの世話になったが」
「何…故…。何故こんなことをするの…? 私を…からかうため?」
 ようやく気を取り直しかけた女優の弱々しい抗議は、完全に無視された。
「藤蔭先生―いや、あんたの高校時代の同級生、藤蔭聖さんとは我々も家族ぐるみのつき合いをしていてね。その縁でもう一人の同級生、後三条煕子さんを紹介してもらって―あんたとご亭主との経緯は、彼女たちから全部聞いた」
 かおりの肩ががくりと落ちた。藤蔭医師と煕子の名前が出たからには、全てを知られてしまったと察したのだろう。
「どちらが悪いというわけじゃない―聖さんも煕子さんも、口を揃えてそう言ったよ。もちろん俺もそう思う。あんたたち二人は毎日を懸命に生きて、そしてお互い深く愛し合っていただけだ。なのにどうしてあんな結末を迎えてしまったのか…まぁ、それが人という生き物の悲しさといってしまえばそれまでなんだけどな」
 そこで、グレートの表情がふと厳しくなった。
「ただ、たった一ついただけないのは上城氏の去り方だ。いくら何でも自分の言い分だけを一方的に、それもあんたと共同執筆していた脚本に書き込んで逃げ出したってのは男として―いや、男も女も関係ない、一個の人間として―卑怯じゃないか?」
 一瞬、かおりは言葉に詰まった。しかし次の瞬間、激しく首を横に振って。
「違うわ! 彼はそんな…卑怯な真似なんて絶対する人じゃなかった! そう…普段の彼なら絶対に。だけど、あのときの彼は普通じゃなかった! 喧嘩続きの毎日、諍いばかりの明け暮れに神経をすり減らして、思考能力も判断力もみんな麻痺して…発作的にあんな行動を取ったんだわ! だったら、彼をそこまで追い詰めたのはまぎれもなく私…。彼が『卑怯』だと責められるなら、その前に私が…私の方が何倍も、何十倍も責められるべきなのよ!」
 グレートが、小さく肩をすくめた。
「ああ、そうだ。残念ながら、それも確かな事実ってやつなんだろうさ。しかしなぁ、かおりさん! 追い詰められ、神経をすり減らしていたのはあんたも同じだったんだろう!? そして、あんたを追い詰めた相手もまた、上城敬―あんたのご亭主に他ならなかったはずだろう!」
 びしりと言い切られ、かおりは声もなくうなだれた。グレートの口調が和らぐ。
「さっきも言ったろ。俺も聖さんも煕子さんも『そこ』に至るまでの上城氏を責めるつもりなんか毛頭ないんだよ。もちろん、あんたのこともな。全てはお互い様―どっちがいいか悪いかなんて、我々他人が勝手に決めつけていいこっちゃない。…しかし、だ」
 一瞬の、間。かおりはまだ、うなだれたままである。
「どっちもどっちのお互い様だからこそ、あんたたちは最後の最後まで存分に言い合うべきだった。怒鳴り合いでも罵り合いでも何でもいい、それぞれの腹の中に溜め込んだもやもや全てが空っぽになるまでな。そうすれば―仮に結果は今と変わらなかったとしても―松本かおりともあろう女優が、たった一言の台詞を言えずにもがき苦しむなんて無様な醜態をさらす羽目には絶対にならなかったはずなんだ!」
 途端、弾かれたように顔を上げたかおりにグレートは軽くうなづきかけた。
「…あんたがさっき上城氏をかばった、それは別に構わん。時間と共に怒りも苛立ちも薄れ、後に残ったのは後悔だけ―なんてのはこういう場合、よくある話だからな。ただ、それはあくまで『今の』心境だろうに。…思い出してみろよ。上城氏の出奔に気づいたとき、脚本に書き込まれた赤い文字を見つけたとき、その瞬間からあんたは亭主を許してたのか? 何一つ怒ることも恨むこともなく、何もかも自分のせいだと諦めてさっさと悟っちまったってのか?」
「そんなこと、あるわけないじゃない!!」
 間髪いれずに返ってきたのは甲高い絶叫。
「あのときの私の気持ち…たといグレートさんにだってわかるはずないわよ! どれほど夫婦仲が冷え切ろうと、私はどうしても彼を嫌いになれなかった! だから…努力してた。少しでも彼を理解しよう、私のことを理解してもらおうって必死に! なのにそんな私を置いて、黙って突然姿を消すなんてあんまり酷すぎるじゃない! ええ! あのときの私は怒ったわ! 恨んだわ! 憎んだわ! できることならこの手で殺してやりたいと思ったほどに…っ。だけど…」
「だけど上城氏が出奔してしまったおかげでその『気持ち』を伝える機会は永遠に失われ、あんたは何とも中途半端な割り切れなさを抱えたまま、たった一人で生きるしかなくなっちまった」
 刹那のタイミングを見逃すことなく、グレートは半ば強引に話を引き取った。ここでまた「現在の心境」などを持ち出されたりしては、いつまでたってもケリがつかない。
「上城氏との喧嘩や言い争いばかりが続いた日々はさぞ辛かったろうが、互いに言いたい放題言い合ってた分にはまだマシだったんだよ。伝えたい相手に向かって思う存分吐き出した怒りや苛立ちなら、時の流れとともにいつかは薄らぐこともあるだろう。しかしただの一度も口にできぬまま、無理矢理封じ込めた鬱憤ってヤツぁそうはいかん。時間がたてばたつほどかえって大きく膨れ上がるばかりで、ついには心や体を蝕んでいっちまうのさ。…悪性腫瘍のようにな」
 かおりは何も言い返さない。グレートの指摘に、思い当たることがあるのだろうか。
「あんたにとって一番辛かったのは、上城氏出奔時の怒りや恨みよりもむしろ、それらの持って行き場がどこにもないってことだったんじゃないのか? 全てを吐き出し、受け止めてほしい相手はこの世に上城敬ただ一人、なのに彼はもういない、だから何も言えない…。そんな堂々巡りの思考にがんじがらめになっている人間が、いかに芝居の台詞とはいえ全ての発端になった言葉を、それも上城氏とは全く別人格のベルガーに向かってなんざ口にできるわけがない!」
「あ…あ…!」
 かすかなうめき声とともにかおりは力なくその場に座り込んでしまった。ゆっくりと歩み寄ったグレートが、その肩にそっと手をかける。
「なぁ、かおりさん…。今のあんたに必要なのは夢の中でも幻相手でもいい、とにかく上城敬という男に向かって胸の中のわだかまり全てを叩きつけるこった。悪いこたぁ言わんからここで思う存分爆発して、何もかも丸ごと吹き飛ばしちまえよ。上城氏役は俺が全身全霊をかけて演じてみせる。だからあんたもこれ以上ぐだぐだ悩んでないで、何もかも洗いざらいぶちまけてみろ。それができなきゃ、あんたは女優としても人間としても、この先一歩も前に進めんぞ!!」
 これまでとは段違いの激しい一喝に、かおりの体がびくりと震えた。だが、次の瞬間目の前の男はまたいつもの飄々とした口調を取り戻して。
「…ま、やってみるかみないかはあんたが決めることだがね。どっちにするか、しばらく一人でじっくり考えてみるといい。もしもやる気になればよし、そうでなければ俺は黙って帰るだけだ。仮に断られても、決してあんたを軽蔑したり絶交したりはしないから安心してくれ。ただし、この『クリムゾン・ローズ』の演技指導からは一切手を引かせてもらうが」
 そしてくるりとかおりに背を向けて―。
「そこの更衣室で待っている。結論が出たら、声をかけてくれ」
 肩越しにそんな言葉が聞こえたのを最後に、再びその姿は男性更衣室の中へと消えた。

 たった一人、床に座り込んだまま取り残されたかおりは、しばらくの間微動だにしなかった。眉一つ動かさぬその表情からは、彼女が今何を考え、何を思っているのかはまるで窺い知ることができない。静まり返った稽古場には時を刻む時計の音だけがやけに大きく響くばかり。
 そして、五分。…やがて、十分。
 いつしか、時計の長針が一八〇度近くその位置を変えた頃―。
 かおりの胸が、大きく息を吸い込んだ。そして、ゆっくりと吐き出して。さらにもう一度息を吸って、そして、吐いて―。
 深呼吸が三回終わったあと、かおりはきっと顔を上げて立ち上がり、大きく声を張り上げた。
「グレートさん、私…決めたわ! もう一度…もう一度だけ、私の稽古につきあって下さい。お願いします!」
 深々と頭を下げたその耳に、再び更衣室のドアが開く音が聞こえた。

 姿を現したグレートもまた、緊張感からか幾分顔が蒼ざめていた。
「なら、例のあの場面から始めよう。とにもかくにも、まずはあの台詞を口にすることだけを考えるんだ。それから後は…怒るにせよ謝罪するにせよ、好きにしなさい」
 念押しをするその声も、先程より多少硬くなっている。しかし、あらためて見れば見るほど、その姿も―そして声すらも―かつての夫、上城敬そのものだ。グレートのメイク・テクニックに驚かされたのは初めてではないし、その「裏ワザ」のいくつかを伝授してもらったこともあるかおりだったが、今日ばかりはこのイギリス仕込みの名優の底力にただただ感服するばかりである。我知らず全身にわきあがってきた女優としての闘争心が、最後まで心にまとわりついていたためらいと不安とを一挙に吹き飛ばした。
 軽くうなづき合い、稽古場中央に進んだ二人が向かい合う。まずはグレート―いや、上城敬がわずかに息を吸い込んで、そして―。
 「稽古」は唐突に始まった。
「それじゃ君は、ずっと自分一人で生きてきたとでも言うつもりか? だったら僕の存在とは一体何なんだ? 今まで僕がどれだけ君を援助してきたかわかっているのか? ―まさか、忘れてしまったわけじゃないだろうな―!」
 瞬間、かおりの目がわずかに見開かれた。
(これは…!)
 ベルガーどころかグレート・ブリテンのものですらない台詞。その声音はおろか口調も抑揚も、言葉の間からにじみ出る苛立ちと苦渋さえ、かつて夫が自分に浴びせかけた怒声そのものではないか。
(確か、グレートさんと上城は一面識もないはず…なのにどうして? どうしてこれほど完璧に…上城になりきることができるんだろう。もしかして…聖や煕子からその人となりを詳しく…聴いて…?)
 ぼんやりと脳裏をよぎった疑問を自覚するよりも早く、かおりは口を開いていた。と同時に、これまで何をどう努力しても決して言えなかった台詞が一気にその朱唇からほとばしる。
「貴方こそ、一体私の何がわかっているというの!? 私がこれまで貴方のそばで何を思い…何を悩み…そして何を望んでいたのか…それを考えたことなんて、一度もないくせに!」
 途中からあふれ出した涙が声を詰まらせ、言葉の最後が嗚咽に紛れたのは、ようやくこの一言を口にできた喜びのせいか、それとも心に蘇った過去の怒りのせいなのか、かおりにはわからなかった。台詞とともにこみ上げてきた様々な感情の渦の中、自分自身を完全に見失ってしまったのである。当然、その後に続く言葉も見つからず、あとはそのまま絶句するしかない…はずだったのだが。
「でもそれは私も同じだった。そのことで貴方を責める資格は私にはないわ。だけど…何も言わずにひっそり、そのくせあんな嫌みったらしい書き込みだけを残して出て行ったことだけは酷すぎる! …おかげで私、貴方を追いかけることも謝ることもできなくなっちゃったじゃないの!!」
 もはや、何を考え何を喋っているかという意識もない。それでも一度堰が切れた感情の激流は止まるところを知らず、凄まじい勢いでほとばしり出るばかりである。
「貴方に出て行かれたあと、私が激しく後悔した、それだけはまぎれもない事実よ。貴方をそこまで追い詰めていたくせにちっともそれに気づかなかった自分の無神経さ、鈍感さがどうしようもないほど情けなかった! できることならすぐにでも貴方を追いかけて、泣きすがってでも土下座してでも、帰ってきて…ほしかった。けれどその反面、最後の最後で貴方があんなふうに私の前から消えてしまったことだけはどうしても許せなかったのよ!」
 いつしかかおりは嗚咽どころか泣き叫んでいた。だが不思議とそんな自分を恥ずかしいと思う気持ちはわかない。むしろ叫べば叫ぶほど心が軽くなっていくような気さえした。
「それからはずっと、貴方への罪悪感と怒りの間でどっちつかずの宙ぶらりんだった…だから、貴方の書き込みを脚本から消せなかったの! だから、あの台詞を口にすることができなかったの! せめて喧嘩の最中に飛び出してでもくれていたら、私はすぐに貴方を追いかけ、貴方に謝ることができたのに…ッ! 何でそうしてくれなかったの!? おかげで私、貴方を失ったままで今まで生きてこなくちゃならなかったじゃないの! どうしてくれるのよ!!」
 一際激しい罵声を最後に絶叫は止み、かおりはほぅ…と息をついた。体内の空気を全て吐き出すかのような、細くて長い、笛の音にも似た吐息。
 しかし、やがてはそれも途切れ。
「…けれど、貴方にそんな真似をさせてしまったのはまぎれもない私です。理解も配慮も足りない、至らぬ妻でした。申し訳ありません」
 板張りの床に正座し、きっちりと両手をついたかおりが額が床につくほどに深々と、その頭を下げた。再び沈黙に包まれた稽古場の中、二人の男と女は身じろぎ一つしない。
 そして、どれほどの時間が過ぎた頃だろうか。
「あぁ…何だかすごく気持ちが軽くなったわ。やってみてよかった…ありがとう、グレートさ…」
 泣き腫らした顔もそのままに、けれどどこか晴れ晴れとした表情で頭を上げたかおりの動きがまたしても止まった。というのも…。
 てっきり自分と同じ笑顔を浮かべているとばかり思っていた上城敬―グレートが、両の目から大粒の涙を流しながら肩を、いや全身を震わせていたからである。
 そればかりか。
「かおり…初めてだな…。君が遠慮も自制心もかなぐり捨てて…駄々をこねてくれたのは…」
 それは、かつての諍い全てを知る者でなければ言えない言葉。藤蔭医師や煕子からどんなに詳しく話を聞いたとしても、グレートには決して思いつかないであろう台詞。
(まさか―!)
 ふと心をよぎったとある考えを打ち消すように、かおりは激しくかぶりを振った。…ありえない。それだけは絶対にありえない!
 しかし、そのとき。
「そこまで!」
 ぱん、と手を叩く音と同時に凛とした声が響き、はっと振り向いたかおりは今度こそ「ありえないもの」を見た。

 何とそこにはもう一人―目の前にいる上城敬と寸分違わぬ姿をした男が、満足げな笑みを浮かべて立っていたのである。
 


前ページへ   次ページへ   二次創作3に戻る   玉櫛笥に戻る