2007.07.14.(土)      ワケわかんねーよ四周年!!

 皆様、いつも遊びにおいで下さいましてありがとうございます!!
 おかげさまで弊サイトも本日いよいよ四周年を迎えることができました(ばんざ〜いっ! ばんざ〜いっ!! ばんざ〜いっ!!! わん! わわわわわん! わんわんわんっ!! あおぉぉぉ〜んっ!!!<毎年恒例、管理人の万歳三唱と案内人の歓喜の雄叫び遠吠えつきバージョンの二重唱<うるせぇ)。ここまでサイト運営を続けてこられたのもひとえに皆様方の応援の賜物、開設以来お越し下さいました全ての方々に厚く御礼申し上げます(管理人&案内人、並んで深々と平伏)。

 しかしただ今現在日本列島にはかなり大型の台風4号が接近中、ヘタすりゃ直撃の恐れもあるとか。ま、それでなくとも一応梅雨という季節柄、天気がぐずつくのはある程度仕方ないにしても、よりにもよって何でウチのサイトの開設記念日に合わせたよーに台風までやってくるんだよぉぉっ。しかも「かなりの大型」って…(茫然として涙)。そーゆーモノに日本列島が直撃喰らうのって、盛夏から初秋の頃にかけてじゃないのかね、フツー。…いやそりゃ、「梅雨時に台風がやってくるなんて絶対ありえないっ!!」とまで断言する気はないけどさ、それでもこの時期の台風ってばその大多数が日本列島のかなり手前でひょいと進路を東に向けてスピンターン、そのまま太平洋上に抜けていたよーな気が…でもってその際「せっかく近所を通るんだから」とか何とか挨拶代わりに梅雨前線を刺激して大雨降らせたりすることもあるけれど、いくら何でも直撃っつーのは滅多にないんじゃなかろーか…ってか、だから何でそれがウチの開設記念日なのぉぉぉっっっ!?
 あーこれも日頃の管理人の行いのせいかしらそれとも前回前々回と叔母の「雨女パワー」なんぞをネタにしたおかげで竜神様のお怒り買っちゃったのかしらそーいやちょっと前にUPした「旧家の風格 2」じゃ雷神様までネタにして思いっきしおちょくっちまったんだよなーこの上雷神様のお怒りまで買っちゃったひにゃオバサン一体どーすりゃいーんだかぶつぶつぶつ…。

 しかも実質この日記書いてる7月13日(<うん…だって14日になったらできるだけ早くUPしたいんだもん、やっぱ前日から「シコミ」しとかなきゃね〜vv)ときたらお盆の入りのお迎え火に加えて13日の金曜日。…ったく、前祝いがコレでその上当日は台風襲来間違いなしの開設記念日なんて、縁起がいいんだか悪いんだか。もしかしたらこのサイトの行く末ってばもう神仏のご加護に頼るしかないってイミなのかしら…(そこであたふたと仏間に駆け込み、ただひたすら熱心かつ敬虔に両手を合わせる管理人)。

 …とか何とか、当事者でさえかなり先行き不安になってしまったヘボサイトではございますが、よろしければ今後も何卒、何卒ご贔屓にぃぃぃ〜っ(管理人&案内人、再び頭を地べたにこすりつけて平伏)。



 しかしまじめな話今回の台風4号は大型だけでなくその勢力もかなり強いらしく、すでに九州・沖縄地方を始めとする各地で様々な被害が出ているそうで…。被災者の皆様方には管理人&案内人、心からのお見舞いを申し上げます。
 しかも今日から明日にかけてますます風雨も強まるとのこと、皆様もどうかくれぐれもご注意下さいますように…。



2007.07.10.(火)      小さな親切大きな苦悩

 ご報告が遅くなりまして申し訳ございません…というのは前回の日記に書いた「実母と叔母の温泉旅行」の件ですが。
 二人の旅行中、管理人と案内人が留守番してた東京はずっと曇り、陽の光こそ射さなかったものの雨もまた一滴も降らなかったモンで「ありゃ、叔母さんの神通力にもついにガタがきたかい、5000点損したかな〜」なんて空を見上げつつ茶などすすっていたところ、何と○○温泉では二日目の朝、土砂降りのにわか雨に見舞われたことが判明。幸いすぐにやんだらしいんですけんども、おかげでその日はどこに行っても雲だの霧だのに邪魔されて、周囲の景色なんざなぁぁぁ〜んにも見えなかったそうです。
 …やっぱ、叔母の「雨女パワー」は健在でした(…つーことは今後もあの「仁義なき戦い」が続くってか!?<あ〜あ、5000点損してた方がまだマシだったよチクショウ)。



 で、ここからはいよいよ今回の日記。何日か前、管理人は地下鉄に乗り、座席に座っておりました。でもってふと、目の前に自分よりかなり…少なく見積もっても15歳、ヘタすりゃ20歳以上年上かもしれない女性が立っていることに気づいたのです。
 皆様ご承知のとおり管理人もすでにもういー年こいたオバサンです故、それからさらに15とか20年上ときたらおそらく世に言う「高齢者」に間違いないはずで(でも15上ならまだそこまでは行ってないか<だから、いーからっ!)。管理人は席を譲ろうと慌てて腰を浮かしかけました。…あれ? でも待てよ…?
 よくよく見ればこの人、えれーこと若作り…じゃなかった、華やかな装いをしておられるような。着ているカットソーだって地味目とはいえラメ入りだし、手にしたショルダーバッグにゃかなり大粒のクリスタルビーズなんぞがいくつもくっついてるし、そして極めつけがその足元!! 素足に履いたミュールはヒールの高さ7センチ(<推定)はあろうかというシロモノ、しかもつま先には何と、光の加減によってピンクにもグリーンにも見える色の中にこれまたラメの入ったペディキュアまでもが施されてたりなんかして…よーするに、カッコだけ見りゃどこをどー頑張っても管理人の方が完全にオバサン(何か、書いてるうちに自分で自分が情けなくなってきた…<涙)。あ、ただしその人の名誉のためにつけ加えておけば、その若作り(あわわ<汗)、…もとい華やかなファッションはたいそう彼女に似合っておりました。

 …しかしそのおかげで管理人はえれーこと苦悩する羽目になっちゃったわけであります。
 だってそーでしょぉ? いかに自分より年食って見える相手だろーが、この装いから察するに気持ちはさぞ若いに違いない。そんな人に公衆の面前で堂々と席なんか譲っちまったりしたら「失礼ねっ!! 私はまだ若いのよっ!!!」なんて怒鳴りつけられるかもしれないじゃありゃーせんか。…って、別にこっちが怒鳴りつけられる分には構わないんですけど(嘘こけ>自分)、もしかして先方の心を深く深く傷つけちゃったりしたひにゃそれこそ取り返しがつかないし。
(…そーいやこの人よりもさらに年上、正真正銘「高齢者」以外の何物でもないウチの実母でさえ、この前電車の中で席を譲られて「ありがたかったのには違いないんだけどねぇ…アタシ、そんなにお婆さんに見えたのかしら」とか何とか滅茶苦茶がっくりきてたよなー。それによくよく見ればこの人の後ろにはちゃんと空いてる座席があるじゃんかだけど単に自分の後ろだから気がついてないだけなのかなーどーなのかなーぶつぶつぶつ…)
 等々、考えりゃ考えるほど「人として取るべき道」がわかんなくなってきた管理人、しまいにゃ頭の中がこんがらかって半パニック状態、ついつい頭抱えて「ふごおぉぉぉぉっっっ!!」とか何とか絶叫したくなっちまったんですけど。
 ありがたいことに、管理人がなけなしの理性を失う寸前電車は次の駅に停止、でもって管理人の隣の隣に座ってた兄ちゃんがつと立ち上がりそのままドアの外へ。その上車内も結構空いてたおかげで新たに座る人もなし、よしこりゃらっきぃぃぃ〜vv

 …が。

 ぃやったぁ!! あの場所ならこの人も絶対気づくぞ! …と心の中で快哉を叫んだ管理人が息を呑みつつ見守る中、空いた座席にちらりと目をやったその人は、何とそのまま平然とつり革につかまって立ち続けておられたのでした。
 そんでもって結局、管理人は「…そーか、やっぱこの場合は席を譲らなくて正解だったのだな」とほっと胸をなでおろしつつ、はたまた「もしあの時席を譲っちゃってたら…」とか想像して肝を冷やしつつその次の駅で電車を降りたんですけんどもね。

 …とにもかくにもたった二区間でこれほど気疲れしたことなんざ生まれて初めてだったよはーやれやれ。



 ありゃりゃ…この間お出かけ先からミョーに老け込んで帰ってきたと思ったら、しょんな気苦労をちてきたんでちか。
 うーん…確かに、電車の中でお年寄りに席を譲るのは当然でちけれど、最近のお爺ちゃんやお婆ちゃんってばしゅごく若々ちくて元気な人が多いんだもん、席を譲ったりなんかちたらかえって失礼かも…って、ついつい考えちゃいまちよねぇ。
 でもボク思うんだけど、席を譲ってあげるべき人って別にお年寄りだけじゃなくて、体が不自由な人とかお腹に赤ちゃんがいる女の人とか、よーしゅるに「自分より立っているのが辛そうな人」全部じゃないのかなぁ。だから…極端な話、健康で元気一杯のお年寄りが、具合が悪くなって学校を早退ちてきた、お熱とかも出ちゃってふらふらちながらおうちに帰る途中の高校生に席を譲ってあげるのも、お手々がちょっと不自由だけどあんよは丈夫だから電車の中で立ってても平気だよ〜って人が、特に体が不自由じゃないけど何だかしゅごく気分が悪そうで、真っ青な顔ちて立ってる人を自分の席に座らちぇてあげるのもありなんじゃないかなって気がしゅるんでちけど。
 だけどしょういうのはやっぱ「臨機応変」、しょのときしょのときの状況を自分で判断しなきゃいけないち…いざというとき、咄嗟に適切な対応ができる人なんて、滅多にいないのかもちれないなぁ…(<大きくため息をつきながら、気疲れで老け込んだ管理人の肩を懸命に叩いてやる案内人<いつもいつもすまないねぇ…ごほごほ@飼い主<って、マジで2、30年老け込んでやがるぜコイツ)。



2007.06.16.(土)      ぴっちぴっちちゃっぷちゃっぷらんらんらん♪

 例年より少々遅れてようやく梅雨入りしたかと思えばその翌日から二日続きの真夏日になっちゃって、もはや何が何だかわかんない東京地方でありますが。

 それでもやっぱし梅雨といえば雨、そしてこの日記にもしばしば登場してくる管理人の叔母その一は、実を言うとかなりの雨女だったりするのでした。何でも子供の頃から遠足や運動会、はたまたプライベートなお出かけ等のイベントがあるたび必ずと言っていいほど雨に祟られ、周囲の同情を買っていたというから筋金入りです。しかも大人になればなったで、いかなる運命のめぐり合わせか実の兄である叔父ががこれまたかなりの雨女である叔母その二と結婚、めでたく義姉妹となった二人は互いの力の相乗効果か益々そのパワーをアップさせていくばかり…って、それがどれだけものすごかったかって言うとね…。

 これも今は昔のン十年前、かの両家が揃って沖縄だかどっかに海水浴に行くことになったんですよ。ちなみにその年の沖縄地方は近年まれに見る雨不足、夏といえば必ずやって来る台風すらもそれてばっか、このままいけばマジ深刻な旱魃になるんじゃないかと関係者各位をはらはらさせていたらしくてさ。なので「自分たちがはしゃぎすぎて子供たち日射病にさせないように注意しなさいよ!」とか「雨不足かぁ…行ったはいいけど断水になんかなってたら困るなぁ」などなど、送る者送られる者どちらも暑さ対策ばかりを心配してた、ああそれなのにそれなのに。
 何と叔父・叔母家族がえっちらおっちら飛行機乗って沖縄に着いた翌日から台風襲来しかも本島直撃、海水浴はおろかホテルから一歩も外に出ることができないままに日程終了しちゃったそうで。「あの時はさすがにみんなが可哀想でかける言葉が見つからなかったわ」というのはそのとき留守番組だった管理人の実母の台詞ですが、そのくせこの旅行の顛末は今でもしっかり管理人ち一族の伝説になってます。…もしかしたらウチの叔母たち、たった二人で沖縄を旱魃から救っちゃったのかもしれないとか何とかかんとか(<…いやちょっと待て、ソレ完全に人間の域超えてるからっ)。

 そして現在もなお、叔母たちの霊験はまるっきし衰える気配すらありません。もっとも、叔父ともども都外へ引っ越してしまった叔母その二とは残念ながら滅多に会えなくなっちゃったんですけんども、同じ東京都内に住んでいる叔母その一は今でもしょっちゅうウチへ遊びに来てくれたり実母と一緒に出かけてたりなんかして…そーゆー日の降水確率は春夏秋冬一年365日にかかわらず常に70〜80%という驚異的な数字(<当社調べ)を記録しております。特にすごいのが泊りがけで遊びに来てくれるときで、たとい何泊しようとも叔母がやってくる日と帰る日には必ずと言っていいほどが降るんですよねー…。ああ、もしもこれが数百年前だったらさぞかし雨乞いに優れた巫女さんとしてあっちこっちでひっぱりだこ、管理人もそのマネジメントとかで左うちわだったかもしれないのに…(いやだからそーゆー欲の皮つっぱらかった発言はもうやめろと>自分)。

 しかし一緒に出かけるたびにほとんど毎回雨に降られる実母としてはたまったモンじゃないらしく。
「…あーもぅ、また今日も雨じゃないの。何でアンタと一緒だと毎回毎回こーなのかねぇ」
「何よ、アタシのせいばかりにしないでよ! アンタだって雨女かもしれないんだからさっ」
「アタシは雨女じゃないわよ! 一人で外出するときにはちゃ〜んと晴れる日の方が多いもの(<…と、胸を張る実母)」
 …とまぁ、この程度で済んでるうちはまだかわいいんですけんどもさ。
「だからってアタシだけのせいとは限らないでしょっ! この間はHさんやTさん(<実母・叔母共通のお友達)だって一緒だったじゃないの!」
「その前にアタシがあの人たちと食事に行ったときは晴れたわよっ」
「…(<ちょっと口惜しそうに何か考え込む叔母)。…そうだっ! だったらきっとりーみんが雨女なのよ!
「何でそこにウチの娘が出てくるのっ!」
「だってアンタたちがおとーさんのお墓参り(<毎年秋の日記でもおなじみ、「山梨墓参りツアーオプション犬つきプラン」のことです、ハイ)に行くときは必ず雨が降るって言ってたじゃないの。…そーよ、あの子が雨女なのよ」
「何よ、それ言うなら去年と一昨年はアンタだって一緒に行ってくれたじゃないっ! それに娘引き合いに出すんならそっちのK子とJ子はどーなのよっ!!」
 …なんて、はっと気がつきゃ互いの娘どもまで巻き込んだソーゼツな「仁義なき戦い」になってたりするんだよあーもう誰か何とかしてくれこのケンカ…(慟哭)。

 さて、こんな実母と叔母が明日明後日と一緒に温泉旅行に行く予定になってます。天気予報じゃ一応って言ってるみたいだけど、コレまでの実績が実績だけに果たしてどーなることやら。
 管理人としては気象庁の予報大ハズレの大雨になってまたまた「仁義なき戦いin○○温泉」が勃発するのに5000点。…てか、6月半ば過ぎつーたら普通関東地方は梅雨の真っ只中、日々の降水確率だってかなりの高水準で推移するのが当たり前てな季節だろーからして、そんな時期の旅行なんざ十中八九雨に降られに行くようなモンだって、そろそろ還暦だの古希ってぇいい年こいたオバハン二人がなして気づかないかねぇ。やっぱ人間、年を取るとだんだん子供に返っていくんだろーか…(<そーいや上記のケンカにも大人げなんてもなぁカケラもないよーな気がするし)。



 よーするに、親や身内が年老いて行くってこーゆーことなのね…と、今日は何だか一つ悟りを開いたような気になっちゃった管理人だったのでした。ちゃんちゃん♪



2007.06.03.(日)      サルの恩返し

 今日はちょっと思い出話をさせて下さい。
 昔々のその昔、オバサンが通っていた小学校には何と御年90歳のお爺ちゃんせん…もとい老先生がおいでになりました。それも本来ならば「名誉校長」という大変偉い方だったにもかかわらず、しっかり教壇にも立っておられたという極めつけのバケモノ(<こらこらこらっ!!)、いえいえツワモノ、教師の鑑。ちなみに担当教科は低学年の理科(…となりゃぁはっきし言って授業はほとんどサルの調教に近かったんじゃないかと<涙)、なのに板書もテスト用紙の問題も全て旧仮名旧漢字使用というところがさすが90歳の面目躍如〜♪(踊っ<何故踊る?)。父兄参観日の授業中、老先生が黒板に大きくてふてふ(=蝶々。昔はこう書いてた)」とお書きになられた瞬間、教室の後ろに並んでいた父兄の間から「うおぉぉぉぉっ!!」という地鳴りのごときどよめきが起こった事実は当時一年生だったサル、いえいえ管理人の脳ミソにいまだしっかと焼きついておりますです。オバサンたちの親世代といえばそのほとんどがまぎれもない戦中派、おそらく最後の旧仮名旧漢字世代のはず、そんな親たちをあれほど驚かせるとはさすが90歳の…(それはもういい>自分)。

 もっともガキんちょどもの方は別にそんなの大して気にもしてなかったんですけどねェ。いやそりゃたまには「国語の時間に習ってる字と違うな〜」なんてぼんやり思うときもありましたが、「昔はこういう字を書いてたんだよ」と言われりゃ「へー、そーなんだー」と納得して終わりです。まさに教師が教師なら生徒も生徒、これまた小学一年生のバカさ加減、いえいえ素直さの面目…(だからそれはもういいつーとろーが一体何度言ったらわかるんだ>自分)。というよりその老先生は本当に子どもがお好きな優しい方でしたから、ガキんちょどもにとってはそれだけで充分だったのかもしれません。

 そんなある日、老先生のもとに一通の葉書が届きました。先生の昔の教え子の訃報でした。とはいえ90歳の先生の教え子ですからそのときにはもう80歳近い方だったらしいのですが…。
 その葉書に目を通した途端、老先生はすっかりしょんぼりしてしまわれました。普段の元気もどこへやら、一日中葉書を手にして何度も読み返し、時折涙ぐまれて…。あまりに落胆したご様子に、他の先生方もかける言葉が見つからなかったそうです。
 そんな老先生をご覧になっていたオバサンの担任の先生が、クラスのみんなにしみじみとおっしゃいました。
「君たちが将来、どんな大人になってもいい。だけど決して、先生より先に死んじゃいけないよ。みんなに先に死なれて悲しむのはお父さんやお母さんだけじゃない、先生たちだって同じなんだからね」
 当時一年生だったガキんちょにはいまいちピンとこないお話でした。しかしながらさすがにここまで年を重ねると(たとい負けザル…いえ負け犬のゴクツブシであろうとも<自分で書いててちょいとミジメ<涙)、そのときの老先生、そして担任の先生のお気持ちがしんみり胸に沁みてきます。もしも今のオバサンが親あるいは教師だったら、必ず自分の子供や生徒に同じことを言うでしょう。いえ、親でも先生でもなくても。学校や勤務先その他のオフの世界、あるいはネット上で知り合って仲良くなった、そしてこんなヘボサイトを可愛がって下さるお若い皆様方全てにそう言いたいです。幼い者、愛しい者はもちろんのこと、自分と親しい、そして自分より若い誰かが先に逝ってしまうなんて、人としてこれほど悲しいことはありません(本当は年上の方々にも同じことを言いたいんですけど…そーなるとオバサンの方が先立っちゃったりして逆に先様に悲しい思いをさせちゃうかもしんないしな〜<悩)。

 しかしながら所詮「これも今は昔」、かの老先生はオバサンたちが大学生の頃に天寿を全うされたとの話を同窓会にて小耳に挟み、注しつ注されつ懐かしい思い出を語り合うばかりとなっていた今日この頃の先月末、とうとうあのときの担任の先生までもが老先生と同じところへ旅立たれたという知らせが入りました。それを聞いたサル…じゃなかった、かつてのガキんちょどもは大混乱、びっくりこいて泡噴きながら昔の仲間に片っ端から電話かけまくりのメール出しまくり、ほとんど「この際クラスなんて関係ねーよ状態」(どーせ一学年二クラスしかなかった弱小校だしな<自嘲の笑)。かく言う管理人も狼狽の舞など舞いつつ二重どころか三重四重に知らせられたり知らせたりと、はっきし言ってその日の午後はほとんど丸ごと踊り狂っていたのですが。
 こういう場合の常として、何しろ急な話ですから果たしてどこまで連絡が行ったのか定かじゃないし、せっかく連絡を受けても仕事やおうちの都合で、どう頑張ってもお通夜にも告別式にも行けなかった子たちだってたくさんいると思います。

 だけど。

 あのとき先生のお話を聞いていたうちのクラスの連中ばかりか隣のクラスのガキんちょどもも今は全員立派なオジサン、オバサンとなり(ま、中には全然「立派」じゃない管理人みたいのも交じってたり致しますが<大笑)、それぞれ毎日「逞しくささやかに」、そして懸命に生きています。
 とはいえ長い人生、誰もが時にはちょっとした、あるいは深刻な不運にぶち当たることもあるでしょう。それでなくても日々の忙しさにかまけて小学校時代のことなんざ思い出してるヒマもない…というのが普通なのかもしれません。
 もしかしたら体調を崩している友達がいるかもしれないし、仕事や家庭の悩みで身の細る思いをしている仲間がいるかもしれない。
 どうしてもお別れに行くことができなかったと一人こっそり泣いている子がいるかもしれない反面、もうそんな小学一年生時代の担任の先生のことなどすっかり忘れちゃった子だっていないとは限りません。

 だけど、それでも。

 一学年二クラスの私たちは、多分卒業以来ン十年、誰一人欠けずにここまでたどり着いたに違いなく。
 先生方にとっては何より辛い、あの葉書のような知らせなど―少なくともオバサンたちの学年からは―一通も出さなかったに違いなく。



 それだけで、かつて散々先生方にお世話をかけたガキんちょども(<サル軍団ともいう)も、ほんのわずかなご恩返しができたのではないだろうかと―。





 告別式にて先生の棺をお見送りしつつ、管理人はふとそんなことを考えてしまったのです…。



2007.05.16.(水)      「旧ゼロ」第16話

 や〜ん、はっと気がつきゃまたまた日記を1ヶ月半も放置しちゃってるじゃないの〜(泣)。皆様、すみませんすみませんすみませんどーかお許し下さいませぇぇぇっ(<土下座)!!

 でも今日は何てったって年に一度のジョーくんのお誕生日っ!! ここでお祝いの一つも述べなきゃ「ジョーくん一筋35年」という管理人のあいでんててぇが崩壊してしまうわっ(いやすでにもうかなり崩壊してるような気が…軽くヤバイ<汗)。
 なのでここは一発、真心と気合を込めて盛大に叫ばせていただきますっ!

 ジョーく〜ん、お誕生日おめでとぉぉぉっ!! いつの間にか貴方の倍以上年食っちゃったオバサンだけど、この先もっとオバサンになってもオバーサンになってもずっとずっと、貴方のことが大好きだからねっ!!!(<結構迷惑かも<笑)



 …しかし正直言って管理人、今年ばかりは今日のよき日をめでたさ100%で寿ぐ気にはなれないのでした。何故かとゆーともちろん、一昨日5月14日にあの「国民投票法案」が成立しちゃったからでございます。
 誤解のないよう申し上げておきますが、管理人は「国民投票」それ自体に反対しているわけではありません。ただ今回の法案は「何が何でも憲法改『正』」という政府与党の皆様方の香ばしい下心がミエミエである上、先の教育基本法改「正」同様、その成立過程もまたあまりにお手軽、大雑把、いー加減すぎて信用できないだけです。
 大体、成立に伴う付帯決議(=これからまだ審議しなくちゃいけないと思われる懸案事項)が何と18コもおまけにくっついてることからして、この法案がいかに未完成かつ穴だらけの欠陥品であるかの証明みたいなモンじゃありゃーせんか。

 中でも国民投票における最低投票率を決めてないってのと、メディアによる改憲賛否の有料CMを投票日2週間前までは好き放題垂れ流しOKてなぁ致命的。改憲へのハードルを滅茶低めに設定しやがりあそばして己が足元をしっかと固めた政府与党の皆様方、いざ実際の投票が行われるとなりゃ金と権力にモノを言わせて好感度ランキング上位の芸能人さん総出演の「新しい憲法で新しい日本を作ろうvv」とか何とか美辞麗句、いえいえ巧言令色(<少なし仁)てんこ盛りCM作って朝から晩まで放映しまくるんだろうなぁ…(ため息)。
 ただし唯一の救いはこの法律、施行後3年間は「(新憲法法案の)審議を凍結する」っちゅー規定を設けていることでありまして。
 その隙を突いて管理人、この貴重な3年間の間に「サイゼロファン」の皆様方にぜひともお願いしたいことがあるんです。
 それは…。

 改憲の賛否を判断する前に、どうか一度「旧ゼロ」第16話「太平洋の亡霊」をご覧になって下さいませ。そしてできれば周囲の方々―ご家族やお友達にも見せてあげて下さいませ(<幸いなことに昨年DVDBOXが発売されました。全3巻¥29,400とちと高いっスけど、ネットその他で根気強く探せば結構割引してるトコなんかもあるかも)。

 「旧ゼロ」の名作といえば「Xの挑戦」や「悲劇の獣人」、「平和の戦士は死なず」などが挙げられることが多いようですが、管理人個人としてはこの「太平洋の亡霊」も充分名作の名に値するものだと思います。また、管理人以外にもこの話に感銘を受けた方はたくさんおられるらしく、某サイト様でも懇切丁寧なイラスト入りで紹介されてたり致します。
 なのでもしかしたらそちら様の記述とかぶっちゃうかもしんないし、何より「ご覧になって下さい」とお願いした数行後にあからさまなネタバレ載っけるのも人としてどーかとは思うんですけど、それでも管理人はこの作品を是非皆様にご紹介したいので…。
 サイト管理者及び人としてのモラルは完全無視してやっぱ書いちゃいます(サイテーだよ、おめ>自分)。
 つきましては、そんなネタバレ紹介文なんざ読みたくねぇとおっしゃる方はここで潔くブラウザを閉じて下さいますようお願い申し上げます(平伏<またソレかい)。










 「太平洋の亡霊」は太平洋戦争中の特攻隊で一人息子を失った老科学者、平博士が自らの念力を増幅させる装置を発明し、強化された念の力で旧日本海軍を蘇らせるという話です。その理由はかつての誤った戦いで多くの若い命を犠牲にし、戦争の恐ろしさや悲惨さ、平和の大切さを骨身に沁みて味わったくせにその後も武器を捨てるどころかますます軍備拡張に力を入れるばかりの日本、アメリカ、そして世界への怒りでした。
 復活した日本海軍は各国(…てーかほとんどアメリカっちゅーところに平博士の怨念がうかがえますな)の軍事施設や戦艦、戦闘機を次々に破壊していきます。そしてついにはあろうことか、敗戦後ビキニにおける原爆実験の標的とされ、無残にも撃沈された連合艦隊旗艦「長門」までもが復活、船体に充満した放射能ごと一路サンフランシスコに突撃するという緊急事態に…! 何とか阻止しようとする00ナンバーたち、しかし蘇った日本海軍にはどのような武器・兵器も役に立たず…てな展開になるわけですが。

 何しろ40年近く前の作品ですから、作画技術や撮影技術は現代アニメの足元にも及びません(第一色だってついてねーし<笑)。加えて放射能満載の「長門」に向かった009と008が「放射能よけプラスチックを全身に吹きつけてあるから大丈夫さ」なんて自信たっぷりに語り合ってたり、平博士の研究室だっていかにも60年代、我々21世紀人にとってはツッコミどころ満載のワケわからん機械が所狭しと並んでいたりしますから、今どきのお子様方や「平ゼロ」から入られたお若いファンの皆様方は大笑いしてしまわれるかもしれません(いや、そーゆー管理人もねー、これらの場面だけは何度見ても笑っちゃってねー<コラ)。

 しかしながらこの作品の中に込められた強烈な反戦メッセージ、それだけは現代アニメにも決して引けを取りません。いやむしろ、社会全体が少しずつ右傾化、タカ派化している今日の日本では、これほど明確に「戦争反対」を叫ぶ作品など製作できないのではないでしょうか。特に元特攻隊で現在は航空自衛官となっている弦一佐と平ユウタロウ(<平博士の息子)の亡霊(?)との会話、そしてクライマックスでの平博士の激白とその背景に流される映像は圧巻です(いやマジ、すげー衝撃受けますからっ!!!<握り拳っ)。
 そればかりではありません。実はこの事件の解決にはいかなる武器も、そしてサイボーグ戦士たちの優れた戦闘能力も何一つ役に立ってはいないんです。サンフランシスコに向かう「長門」を破壊しようとアメリカ軍が原爆を落としても目標には傷一つつかず、かえって充満した放射能の量が10倍になっただけ。そして、その少し前に「長門」に潜入していた009と008も艦を止めることなどできぬまま、原爆投下の報を知って慌てて退避するしかありませんでした。結局、最後の最後で忽然と現れたユウタロウの魂(<多分こっちは正真正銘ホンモノだと思う)に諭された平博士が己の過ち―一人息子の無念を晴らそうとした行為によって、その千倍以上の悲劇を呼び起こそうとしていること―に気づくまで、蘇った日本海軍の進撃を止められる者は誰もいなかったのです。

 たかが子供向けアニメ―それも40年近く前の―ではありますが、これを一つの寓話と捉えることはできないでしょうか。例えばあのイラク戦争ではアメリカを始めとする多くの国が膨大な武器弾薬、そして兵士を投入しましたが、それでイラクは平和になりましたか? 無差別テロがなくなりましたか?   昨今の緊迫した世界情勢の中、いつまでも「平和憲法」などという理想にしがみついていては大切な祖国を守れない―改憲派の中にはこんな主張をなさる方もいらっしゃいますが、少なくともこの「寓話」と現実とをみる限り、「軍隊を持てば祖国の安全が保証される」なんてのも、管理人にとってはただの甘っちょろい幻想に過ぎないような気が致します。
 むしろ現在の我々に必要なのは、アメリカ軍の原爆投下を知って002に「お前の国が悪いんだぞ! 持ってるからって気安く使うない!」と叫んだ007の率直さ、そんな非難を浴びても「水臭いこというなよ。原因は俺の国じゃないか」と笑って009を平博士の研究室まで連れて行ってくれた002の度量の広さ、平博士を守る超高圧電磁バリヤーに何度も跳ね飛ばされつつ決して説得を諦めない009の不屈の信念、そして最後に「狂った悪魔は平博士だったのか、それとも平和の名を借りて戦争の準備を怠らぬ人間どもの方なのか…」とつぶやくギルモア博士の自省の念ではないでしょうか。

 …以上、例によってダラダラと好き放題書き散らかしてしまいましたが、今の世になってもこれだけ考えさせられる奥深い内容の作品を作り上げた「旧ゼロ」スタッフの皆様方にはただただ脱帽するばかりです。…と同時に、原作者の石ノ森先生はもちろんのこと、脚本担当の辻真先さんや演出担当された芹川有吾さんを始めとする方々の多くが「実際に戦争を体験した」世代であるということも大きな意味を持っていると思います。
 先にも述べた、ユウタロウが平博士を説得するシーンで「お前の気持ちはわかっている」と叫ぶ父に息子が返した「僕たちの魂をこれ以上いじらないでくれないか」という台詞―真実の戦争体験者である方々の手になるこの言葉は、戦争の恐ろしさも悲惨さもろくすっぽ知らんくせに(もしくは、過去の事実を自分の都合のいいようにしか解釈しようとしないくせに)単なる感傷や偏狭的民族主義だけに基づいて特攻隊を賛美、あるいは非難する有象無象の「有識者」やら「知識人」やらのたわごとをまとめて一気に粉砕するくらいの重みに満ちています。
 原作でもアニメでも一貫して「反戦」をテーマに描かれている「サイボーグ009」。もしかしたらそれは、「本物の戦争を知っている」石ノ森先生や「旧ゼロ」スタッフの皆様からの、次世代を担う子供たちへの伝言、願いなのかもしれません。

 それを託されたかつての子供たち、すなわち現代の我々「サイゼロファン」の大人たちがこの先何をどう判断し、さらに次の世代の子供たちに何を残してやるべきなのか―今も昔も変わらない私たちの永遠のヒーロー「島村ジョー」くんの誕生日、この日にこそ深く考えてみなくてはいけないのかもしれない―と、今年はしみじみ感慨にふけってしまったオバサンだったりするのです。



2007.04.01.(日)      やってみたって損はねぇ

 今度こそはSSの更新…と意気込んでいたくせにまたしても日記更新、それも二日遅れ(最低だよ、おめ>自分)…スミマセン。

 だけど本日4月1日は何てったってグレート氏のお誕生日だしっ!! おまけに現在の東京はうまい具合に桜も満開だしっ!!

 グレートさん、お誕生日おめでとうございますぅぅぅ〜っ!!
 満開の桜のようにたくさんの人の心を和ませ、楽しませ、明るくしてくれる貴方。ですがその味のあるお人柄はきっと、これまで積み重ねてきた人生あればこそのものなのでしょう。悲劇でも喜劇でも、主役でも脇役でも。あらゆる芝居と役柄を見事にこなす名役者、グレート・ブリテンに乾杯!!

 でもって実は今日、管理人と案内人も近所の桜の名所に『お花見』に行ってきたんですけれど。
「ふぃ〜っ、やっとおうちに帰れたでち〜。ママったらいきなり普段のお散歩の倍近く歩かちぇるんだもん、くたびれちゃったでちよぉ」
「だからオマエは運動不足だっつーの! 同じパピヨン仲間のLちゃんやMちゃんは毎日あそこまで歩いてるんだよっ! それより何よりせっかくの綺麗な桜を見せてやろうと連れてったママの親心がわからんのかワン公!」
「確かに桜は綺麗でちたねぇ。できればこのまま小学校の入学式まで咲いててくれるといいなぁ。子供たちもきっと、しゅごく喜びまちよ。桜しゃん、頑張ってちょうだいでち〜vv」
「う〜ん、どうかなぁ。桜ってヤツはマジ花の時期がとんでもなく短いからねぇ。入学式に咲く満開の桜なんつーのは十中八九大ウソだよ大ウソ。少なくとも東京の場合、満開の桜と入学式がぶつかるなんて偶然十年に一度あるかないかだし、その上最近じゃ地球温暖化の影響でどんどこ開花が早くなってるし。ま、どーせガキどもだって小学校で2、3年過ごしゃそれくらいの自然の摂理、いやでも経験的に学習するさ。何しろ小学校入学後のガキの成長ときたら目を見張るモンがあるっていうからねぇ」
「相変わらずミもフタもないこと平気で言いまちねぇ、ママってば。でも、小学校に入学ちたあとの子供たちがものしゅごい勢いで成長ちていくのは本当だと思いまち」
「そーそー。ついこの間までランドセルしょってたガキがあぁぁっという間にグレて酒や煙草に手ェ出したり万引きこいたり、はたまたシンナーとかシャブとか暴走族とか…」
「やめなちゃい!! しょれはママの時代の話でしょっ! もち今年の新一年生の親御しゃんが読んだらどんな気持ちになるか考えてよ、縁起でもないっ!」
「でもさぁ、学校入ったと同時にどんどこどんどこ知恵ついて、あれこれ屁理屈こね回すようになるってなぁ事実だと思うよー。何せアタシがそーゆーガキだったからね」
「だから、ママみたいにつぼみどころか双葉の段階で腐りきってる子供なんてそうそういないんでちからっ!」
「だったらいきなりとんでもない質問して親や大人を困らせて喜ぶガキとかは? 絶対いないって言いきれるかい?」
「え…うん、しょれはちょっと…」
「一番ポピュラーなのが『人は何故勉強しなきゃいけないの?』みたいな質問だわなぁ。そーすると大概の大人たちってば一瞬絶句するじゃんよ。いやー、昔はあの顔見るのが面白くて面白くて♪(<よっぽどやなガキだったんだなコイツ)…でもさ、自分がいざ大人になってみるとそれなりにいろいろ考えることもあるわけよ」
「ふ〜ん、ママがぁ…?(<完全にバカにしきった横目)どーせロクでもないことでしょうけど、例えばどんな?」
「そーゆーとき、どーして大人が絶句するのか? とかさ。思うにありゃ、自分の答えでガキを納得させなきゃいけないって、ミョーに身構えちゃうから迂闊なコト言えなくなって硬直しちまうんじゃないのかね。勉強する理由なんて人それぞれ違ってて当たり前なんだから、ガキが納得しよーがしまいが自分なりの理由をフツーに答えてやりゃそれで済む話じゃないの?」
「しょれも確かに一理ありまちね。でも、子供が納得ちてくれなかったらやっぱり困っちゃうんじゃないかなぁ」
「そーゆーときは『だったらお前はお前なりの答えを探してみろ』って言ってやりゃいーんだよ。大体、正解がたった一つしかない問題なんざ、せいぜい学校のテストくらいが関の山だっちゅーの。実社会に出たが最後、ンな簡単に正解なんざ出せない問題が大盛り山盛りてんこ盛りなんだぞっ! そーゆー現実をガキにきっちり叩き込まんと、親や大人が何でもホイホイ『正解』を用意してやってばっかりじゃ、やがてテメェの頭じゃ何一つ考えられないバカを大量生産…
「はいはいはいっ! お説はよぉくわかりまちた…ところで話を元に戻ちて、しょれじゃママ自身はどー思ってるわけ? しゃっきの『勉強しなきゃいけない理由』(<飼い主が暴走しかかってることに気づいていち早く話題をそらす案内人。こういう機転の利いた対処は犬ながらあっぱれである<笑)」
「う〜ん、アタシの場合はねぇ…(<またそこで素直に犬にノセられる人間。バカである<涙)『物事を知る以上に自分を知るため』かな? ほら、ガキの頃って自分の適性も得意分野も考えずに誇大妄想狂的な夢持ったりしちゃうじゃん。熱に浮かれて沸騰寸前の頭を冷やし、実際に自分の手が届くものは何かを考える、そのためにはやっぱ勉強って大切だよ。アタシなんか幼稚園の頃には医者か科学者になろうって本気で考えてたんだから。…『009』の世界にも憧れてたし、ウチってば父方の叔父二人が医者だったりしたし」
「えええっ!!! ママがでちか…っ(<絶句)。はぁぁぁぁ…しょれはあまりに身の程知らずとゆーか反社会的行為とゆーか…途中で冷静になってよかったでちねぇ、ママ」
「お前、飼い主に対してそこまで言うかい。でもま、ママも小学校入学時にはかなり頭に血が昇ってたのは事実だからね。だけど小学校で何年か過ごすうちに、どーやら自分は5年に一度、いや10年に一度出るか出ないかレベルの『文系バカ』、よーするに理数系の才能全くなしってことに気づいてさ。こればっかりは中学高校に行っても治らんかったわ。何せ期末テスト前、教科書さらっと読み流しただけの古典で92点取れたくせに、前日10時間以上勉強した数学の方はたった29点しかとれなかったしなー(自嘲の大笑)」
「うわ、しょれはまた極端…とゆーより滅茶苦茶でちね。ねぇママ、ちゃんとおつむの中に左脳ある? もちかちて代わりにニワトリしゃんの砂嚢(=砂肝)が詰まってるんじゃないでちか?」
「そんな難しい漢字使ってダジャレ飛ばすんじゃないっ!! って、ンなこたともかくさー、アタシが自分の適性を自覚したってのはやっぱ学校入って勉強したおかげだと思うわけよ。でなきゃあのままずーっと頭に血が昇ってたまんまだったかもしれない…ってパピ、何急に黙っちゃったんだい」
「…(<そーならなくて本当によかったとしばし神仏に手を合わせてた)あ、いえ…失礼ちまちた。貴重な体験談あんがとでございますでち。でもママ、小学校である程度の適正がわかっちゃうんなら中学から先はどんどんしょれを伸ばちていけば…苦手な科目なんかはやらなくていいんじゃありまちぇんか? ママだって苦手な数学や理科をずっと勉強ちなきゃいけないのは辛かったでしょ?」
「そーだよねぇ。…だけどこの『適正』、中学とかで逆転することがあるのよ実は
「えっ!? だってママ、たった今小学校から高校までずっと文系バカだったって…」
「違うの。適正逆転が起こったのは数学や理科じゃなくて体育。何を隠そう小学生時代のアタシは自他共に認める運動オンチ、体育に比べりゃ算数や理科の方がまだ成績良かったくらいだったんだよっ。特に走るのは苦手でさ、小学校6年当時の50メートル走の記録が10秒5、800メートル走が5分6秒…1000メートルどころか800メートルでコレじゃ、昔に比べて体力や運動能力が低下してるらしい今どきのガキどもの中に交じったって最低クラス、最下位間違いなしに決まっとるわ! あーもう我ながら何であんなにドン臭かったんだか今思い出しても腹が立つっ!!
「マ、ママっ! 落ち着いてっ! 今お水持ってきまちからね…ほら、これ飲んでっ」
「(ごくごくごく…と差し出された水を飲み干して)ありがとパピ。取り乱したママが悪かったね。…で、その体育なんだけど、中学生になって軟式テニス部に入ったらどーゆーわけだか運動神経がだんだん良くなってきちゃってさぁ、中学二年の時には50メートル8秒6、1000メートル4分17秒で走れたんだよっ!! そりゃぁ当時の平均よりちょっと速いくらいの記録だったけどさ、平均を超えられたってだけで当時のママにとっちゃどんなに嬉しかったか…ふおおぉぉぉぉっ!!(管理人、ここで恥も外聞もなく号泣)」

 ―しばらくお待ち下さい―

「おーよちよち、おーよちよち…ママにもいろいろあったんでちねぇ」
「うん(ぐすぐす<まだ鼻水が止まっていないらしい)…だけどとにかくそんなこともあり得るからね、中学くらいまでは得意不得意関係なしに全科目勉強しても損はないと思うわけよ。もっともさっき言ったみたいにこれはあくまでママの考え方だから、納得できる子もできない子もいて当然。ただできれば、納得できないからって勉強やめちゃう前に自分なりの理由を考えてほしいなぁって。そーゆーコトの方が教科書丸暗記するよりよっぽど大切な勉強だと思う。だって教科書の中身なんかその時代時代でころころ変わるしさ、ほれ、今年の教科書検定でも『沖縄戦の民間人集団自決に軍の強制はなかったことにしろ』なんてとんでもないことを文部科学省がほざいたそーじゃんか。あーそりゃ確かに軍人全員が強制したわけじゃないこたアタシだって知ってるよ。それどころか女子学徒隊の生徒たちに『捕虜になってでも何でもいいから決して死ぬんじゃない、生き延びろ』って訓示した隊長さんがいたって、この前どっかのTVで当の生徒さんたちが証言してるのも観たしね。だけど逆に『軍に自決を強制された』って証言してる民間人もいるってのに丸ごとなかったことにするなんてやっぱ乱暴
「あーあ、最後はやっぱそっちの方に行っちゃうんでちか。はいはい、しょれじゃこの先はお酒でも飲みながらゆっくりお話しゅることにちて、日記の方はずいぶん長くなっちゃいまちたからこのへんで終わりにちましょう…」

 そこで飼い主をなだめる飼い犬、飼い犬になだめられる飼い主ともに退場。新年度を迎えたとはいえ、管理人宅の人間と犬の立場は相変わらず逆転しっ放しのようである…(涙)。



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