落とし穴 6
リビングには、すでに全員が集まっていた。
「あ、ピュンマさん、島村クン。いきなり押しかけてきて、すみません」
ギルモア博士と何か話していた石原医師が、二人に頭を下げた。その隣、松井警視も無言のまま軽く会釈する。きちんとスーツを着こなしているところを見ると、今日は仕事の帰りなのだろうか。姿勢正しくソファにどっかりと腰を下ろしたその姿はどこから見ても立派な警視庁管理官、いつもの「ガキ大将刑事(デカ)」の面影はさらさらない。
「ピュンマさんの皮膚炎、完治したと今、ギルモア先生に伺いました。よかったですね」
微笑んだ石原医師の方は、ネクタイこそ締めているものの心もちラフなジャケット姿。こちらは逆に、いつもの白衣姿を見慣れた目には、いくぶん若く見える。
だが、そんなことはともかく。
「あ…ありがとうございます」
丁寧に頭を下げたものの、ピュンマはどことなくきまりが悪そうだった。先ほどジョーと交わした会話をまた、思い出してしまったのだろうか。
その様子に、石原医師もほんの少し、眉を寄せて。
「病気が治ったんですから、本当ならこれでめでたしめでたし…僕らが今さらしゃしゃり出てくる必要なんて、ないんですけど…」
言いかけた台詞に、何故かギルモア博士が深くうなづく。
「しかし僕、ピュンマさんがどうして乾燥性皮膚炎なんか起こしたのか、気になって仕方がなかったんです。ご存知だと思いますが、今回の人工皮膚開発では僕もほんの少しですけど、お手伝いしたんですよね。そのとき、皆さんの皮膚細胞に関するデータは全て拝見しました。今回の検査分だけでなく、その…BGでの改造時における分も全部」
最後の方、だんだん声が小さくなってしまったのは、「改造」という―00ナンバーたちにとって何より辛い過去に踏み込んでしまったかもしれないという懸念の所為だろうか。しかし、そんなことを気にする者などいない。誰もが食い入るように、石原医師の言葉に聞き入っている。それに気を取り直したのか、石原医師は再び口を開いた。
「ギルモア先生もおっしゃる通り、皆さんのデータはどれも正常そのものでした。ピュンマさんはもちろんのこと、他の皆さんの誰にも、アレルギーだの敏感肌だの、そんなトラブルは一切認められなかったんです。なのに何故…? 僕にはどうしても納得がいきませんでした。そこで、この松っちゃん―いえ、松井君にも手伝ってもらって、もう一度全部、調べなおしてみたんです」
そこで、不思議そうな表情になる一同。
(刑事の松井さんが、医者である石原先生の手伝い―?)
だが、そんなことにはお構いなしに、石原医師の話は続く。
「健康で、全く異常のない肌が急激に乾燥する原因といえば、まず考えられるのは環境の劇的な変化、または体調自体の悪化かストレスといったところです。でもピュンマさんの場合、メンテナンス以降毎日ギルモア先生が診察…というか、検査なさっていたんでしょう? そして、その結果に何も問題がなかったからこそ、ピュンマさんが通常の生活に戻ることを許した…そうですよね?」
再び、ギルモア博士が大きくうなづいた。
「ストレスの件も、ちょっと考えにくいですねぇ…。今、皆さんからもお話を伺ったんですけど、ここ数日のピュンマさんは本当に楽しそうに、生き生きと毎日を過ごしてらしたみたいだし」
「その通りです! やっとベッドから開放されて、みんなと一緒にいろいろなことをするのが僕にはすごく楽しかった! ストレスなんて、感じるわけありませんよっ」
詰め寄らんばかりに勢い込んでまくしたてたピュンマに、石原医師が苦笑した。
「…ですよねぇ。となると、あとに残るのは一つしかない」
「『劇的な環境の変化』ですか…」
小さくそうつぶやいたのは誰だったのだろうか。石原医師は、その誰とも知れぬ声に小さくうなづいて、
「そこで、松井君に手伝いを頼んだんですよ」
ちらりと、松井警視を見た。
「ま、手伝いっていっても俺ゃ、電話を一本かけただけだったんだけどな」
すかさず松井警視が話を引き取った。普段ぎゃあぎゃあじゃれあってばかりいるとはいえ、さすが幼なじみ。このあたりの呼吸はぴったり合っている。
「俺の学生時代のダチに、理学部で地学を専攻してた奴がいてよ。そいつ、今は気象庁に勤めてんだ。だから、そいつに訊いたのさ。この地方…それからあんたら全員の出身国の気象データをな。特に詳しく教えてもらったのは気温と湿度だ」
「普通、肌の乾燥というと湿度ばかりが原因のように思われがちですが、気温もかなり関係しているんですよ。寒くなると皮膚の温度も低下して、血液循環が悪くなりますからね。当然、新陳代謝も低下します。まして、皮脂分泌の量もまた、温度に比例して増加するし…要は、寒くなればなるほど、人間の肌は乾燥しやすくなるんです」
「そうなんですか…」
納得しつつも、互いに顔を見合わせるメンバーたち。確かに、そういうことならこのあたりの気温と湿度、そしてピュンマの母国ムアンバのそれを調べたというのはわかる。だが、何故他の連中の国のデータまで…?
「この日本で生まれ育った島村クンは別として、他の皆さんは生まれてから今まで、日本以外の場所にいた時間の方が長かったわけでしょう? だったら何故ピュンマさんだけが…? そんな疑問もありましたからね。参考資料として一応、全部の国のデータを押さえました」
「そしたら、な…」
松井警視が、気の毒そうにピュンマを見た。
「ムアンバってなぁアンゴラとかにちょっと気候が似てるんだってさ。具体的な数字で言えば、一月の平均気温は26.9度、湿度は83%だ。それにひきかえ日本の…このあたりはそれぞれ4.7度の53%しかない。そりゃぁ、肌も悲鳴を上げるわな…」
「湿度だけで考えれば、他の皆さんの国も結構高いんですけどね」
「ああ。一月のモスクワが80%、パリは89%、ロンドンは92%だ。だが、これらはどこも気温が低いからな。えっと…モスクワ−9.2度、パリ3.5度のロンドン3.8度か」
「湿度が低いとはいえ気温はこっちの方が多かれ少なかれ高いですからね。そのおかげでピュンマさんほどのダメージは受けずに済んだんだと思いますよ。でも、皆さんもお肌のお手入れには充分、気を遣って下さいね」
そう言われて、みんなの手がついつい顔や首筋に行く。あの日のピュンマを思い出し、急に不安になってしまったのかもしれない。
「ただ、わからないのが張大人なんです。大人は確か、広州のご出身だとか。あちらは意外と高温多湿で、一月でも13.3度の71%なんですよ。ムアンバに比べればかなり寒いとはいえ、そちらからいらした方には日本の冬はかなりこたえるはずなんだけどな…」
「あ、でもわては子供の頃に北京に移ったアルから…。それから里帰りは何度もしたし、場合によってはまた何年か広州で過ごしたりもしたアルけど、実際には北京での方が長いのコトね」
「ああ、だからなんだ…! 北京ならこちらより寒くて湿度も低い。確か…」
「一月は−4.3度の44%だとよ。そんな場所で暮らしてたんなら、何とか日本の冬も耐えしのげるわな」
「まぁ、確かにピュンマみたいな目に遭ったことはないネ。でも、ちょっと訊いていいアルか?」
突然の質問に、石原医師がかすかに首をかしげる。
「あんさんたちのお話はよくわかったアルけど、今回皮膚細胞の検査をやったのはこのギルモア研究所やろ? BGの検査のときはともかく、ムアンバと日本との気候にそれだけの差があるとしたら、そのときに何かしらの兆しが出ちまっても不思議はないんじゃなかろかネ?」
「…それは多分、検査室の環境の所為じゃろう、大人」
今まで黙っていたギルモア博士がゆっくりと口を開いた。
「季節によって環境が変化しては、正確な検査結果が得られないおそれがあるからの。ここの検査室は年間を通して気温22度、湿度60%になるよう調整してあるんじゃよ。…確か、BGの検査室も同じようなモンだったはずじゃ」
「それって、肌にとっては最適に近い環境ですからね。もともとが健康な皮膚細胞なんだし、その条件下では異常もまず出ないでしょう」
「だが、実際の日本の冬ってやつは、検査室とはあまりにかけ離れすぎていた、と」
独り言のようなグレートの言葉に、石原医師がまさにその通り、と言いたげな顔を向け、そして―。
「そんなわけでね、ピュンマさん。貴方の肌が健康そのものだということには何の変わりもないんですよ。ただ、この日本という国のこの季節が、あまりにも貴方の国と違いすぎていた…それが根本の原因なんです。あともう一つ、あの日貴方は子供を助けるために海に飛び込んで泳いだでしょう。はっきり言って、直接のきっかけはそれですよ」
「えええええっ!?」
途端、世にも情けない悲鳴を上げたピュンマ。
「そんなっ…! だって僕は水中活動用のサイボーグで…水の中なら誰にも負けないはずの身体で…っ。なのにどうして、海に入ったからってあんなとんでもない目に遭わなきゃいけないんですかっ!?」
言葉の最後が半ば涙混じりになっていたのも仕方なかろう。石原医師の言うことがもし真実だったとしたら、ピュンマにとってはまさに死活問題である。
そのまま頭を抱えてがっくりとうなだれ、ピュンマはなおも何やらぶつぶつつぶやき続けた。何とか反論する術はないかと、その頭脳をフル回転させているに違いない。
やがて、その顔がはっと上がった。
「そ…そうだ! 石原先生! 僕は…あれ以前にも海で…泳いでいるんですよ。それも、メンテナンス直後に…まだ、ギルモア博士から外出許可も出ていなかったっていうのに脱走して…」
血走った目が石原医師を見つめ、すがりつかんばかりに訴える。
「なのにそのときは何も起こらなかった! 移植したての肌はまだ…生まれたての赤ん坊も同然だったっていうのに…ねぇジョー! あのとき君は言ったよね! 確かに、そう言ったよねっ!!」
「う、うん…」
あまりの迫力に、ジョーが反射的にうなづく。少なくとも、あのとき自分がピュンマにそう言ったのは事実なのだ。
だが、石原医師は―。
表情こそ先ほどの松井警視同様気の毒そうだったけれど、その言葉はあくまでもきっぱりとしていて。
「…それは多分、水から上がったあとの処置の違い、それだけのことだと思いますよ」
それからの言葉は小さな子供に言い聞かせるようにゆっくりと…そして、はっきりとしていた。
「あのね、ピュンマさん…。その脱走―いえ、島村クンと二人だけで海岸に行って泳いだとき、海から上がった貴方はどうしましたか?」
「え…? ああ、すぐにタオルで身体を拭いて…急いで家に戻ってシャワーを浴びて…」
「かかった時間は?」
温和な石原医師にしては珍しく、その追求には容赦がなかった。
「おそらく五分…いや十分…。ジョーにうながされて、半分走るようにして家に戻りましたから…」
「その対応は、どちらもマルです。タオルで水分を拭き取り、すぐにシャワーで塩分を落とせば、肌への影響はかなり防げる。だけど、あの日は違うでしょう。あの港からここまではたとえ車でも三十分はかかる。おまけにあの日、貴方たちはショッピングに出かけたんでしたよね。最初から海で泳ぐつもりならともかく、街へ買い物に出かけるのに全身を拭けるようなタオルなんか持って行く人はいない。おそらく、身体もろくに拭かずに車の中で…いえ、もしかしたらカーエアコンなんかもつけていたかもしれない。違いますか?」
「あ…」
言葉に詰まったピュンマに代わり、フランソワーズが傍らからおずおずと口を開いた。
「はい。確かに…エアコンは最強にしていました。冷え切ったピュンマの身体を少しでも温めたくて、席も代わって…温かい風が一番よく当たる、助手席に…」
「それですよぉ…!」
今度は石原医師が頭を抱え、泣きそうな声を上げた。
「海水―塩水でびしょ濡れになった身体に最強度のエアコンの温風だなんて…そんなことをしたら、生きたまま干物にされているようなもんだ…そりゃ、海水ってのはときには乾燥肌やアトピーの治療薬の原料にもなりますけどね。でもそれは、有効成分のみを取り出して調合したあとの話で…それに、体質や症状によっては薬自体が合わないこともあるし。…うーん…ちょっと、訊くのが怖い気もするんですけど、その…あとは?」
「やっぱり、家に帰ると同時に風呂場へ直行しました。で…湯船のお湯を焚きなおして…あの…さっきフランソワーズも言いましたが、とにかくピュンマの身体を温めるのが一番だと思って…少し…熱めに…」
説明するジョーは、叱られた子供のように小さくなっている。だが、それを聞いた石原医師の顔には何故か、次第に呆けたような笑みが浮かび…。
「あはははは…そこまでやっちゃいましたか…。で、当然ピュンマさんはその熱いお風呂でさぞゆっくりと温まったんでしょうねぇ…」
焦点の合わない目、そして虚ろな声が不気味だ。
「はい…さすがの僕もあのときは寒くて仕方がなかったから、ざっとかかり湯だけして、すぐさま湯船に飛び込んで…かなり…長く…」
消え入りそうなピュンマの答え、そしてその場にいる全員の視線の中。
「はあああああぁぁぁ…」
肺の中の空気を全て吐き出してしまうかのようなとてつもないため息とともに、石原医師の上半身ががっくりと膝に突っ伏した。
しかし、次の瞬間。
ばしいいぃぃぃっ…という凄まじい音に、その場にいた全員が飛び上がった。見れば、テーブルを壊さんばかりの勢いで両手のひらを叩きつけた青年医師が、不動明王もかくやと思われんばかりの憤怒の形相でその場に立ち上がり、周囲をねめつけ…
「あのねぇぇぇっ! 熱いお風呂ってのもまた、皮脂を必要以上に溶かして、肌から奪ってしまうんですよっ! ただでさえ環境の変化でダメージを受けていた肌に、そんな滅茶苦茶なことばかりやらかしたら皮膚炎の一つも起こして当たり前ですっ! いいですか、これからは気温10度、湿度50%以下の条件で海に入ったときにはすぐさまぬるめのシャワーで塩分を落とし、ローションなりクリームなりで徹底的な保湿対策をして下さいっ! これはピュンマさんだけでなく、あなた方全員同様ですっ! 生身の皮膚をナメるんじゃねぇぞコラァァァァッ!!」
知り合ってからおよそ二年。石原医師がここまでぶちキレた姿を見たのは、00ナンバーたちにとっても初めての体験であった…。
そして、石原医師と松井警視が帰ったあとのリビングでは。
「石原先生、大丈夫かなぁ…」
「かなり、消耗してらしたものね…。支える松井さんも大変そうだったわ」
「ま、あそこまでぶちキレたら燃え尽きちまっても仕方がないさ。怒るってのは意外と体力使うからなぁ」
「まして石原先生は普段あんなに優しくて穏やかな人やし…ヘタしたらあんなこと、生まれて初めてだったかもしれないアル」
「…それだけ、君たちの身体を心配してくれておるんじゃろ。ありがたいことじゃよ」
口々に言い合う仲間たちを横目で見ながら、ピュンマがぼそりとつぶやいた。
「でも、僕らにとってもっと重大なのは、石原先生の言葉の内容だよ」
「あ…」
たちまち、周囲がしん…と静まり返る。
「海から上がったらすぐにシャワー、そのあとローションで保湿ケアだって…? そりゃ、平常時ならいいよ。いくらでも、言いつけは守るさ。だけど…戦闘時にもそれをやれっていうのか…?」
抑揚のない言葉、白目がちの瞳も仕方なかろう。何だかんだ言って、一番深刻なのはやはり、ピュンマなのである。BGの暗躍による国際紛争は、時と場所―まして、気温だの湿度だの―なんざ選ぶわけがない(ってーか、いちいちそんなモン選んでたらそれはそれで限りなく問題あるぞ→BG)。
とはいえ、「あなた方全員同様ですっ!」と言われては、他の連中も全くの無関心を決め込むことなどできるわけもなく。
「あの…でも、よ。戦闘時に海に入るとなりゃ、大抵は防護服着てるじゃないか。あれって一応、完全防水性だし…少なくとも水着で海に入るよりゃマシなんじゃないか?」
「…それでも、手首から先と首から上は外に出てるじゃないか。それに、もし防護服が破損でもしたら、どうするんだよっ」
必死に場をとりなそうとしたグレートをピュンマが一瞬にして黙らせたあとは、再びみんなの上に重い沈黙が落ちる。
「生身の肌って、意外と手間暇かかるモンなんだなぁ…」
だが、そうつぶやいたピュンマも他のメンバーたちも。
「やはり、あの人工皮膚は失敗作だったじゃろうか…被弾その他の衝撃や破損についてはできる限り綿密に検討したつもりじゃったが、乾燥という落とし穴があったとは…。みんなには詫びる言葉もないのう…。あの、な…もし希望があれば、すぐさま以前のものに戻すが…どうするね?」
消え入るようなギルモア博士のつぶやきにはぶんぶんと音を立てて首を横に振り―もちろんそれは、その後相次いでメンテナンスのために来日した他の仲間たちも同様であった―。
そして。
それから程なく、ドルフィン号の出入り口には全て、ささやかな簡易シャワー室が取りつけられ、箱単位で買いつけられた○ラチナミン乳状液やムヒ○フト、フェルゼ○DXローションなどがこっそりと生活物資倉庫に運び込まれた形跡があるとかないとか。
ただこの情報の真偽は現在も調査中であり、真実はいまだなお、謎のままだったりする…。
注:作中に出てくる世界各都市の気温・湿度は毎日新聞HPを初めとする複数サイト様からデータをいただきました。しかしそのうちムアンバについてはアンゴラ共和国のデータに作者が多少の改変を加えましたこと、またギルモア邸近辺のデータは東京都のものを使用いたしましたことを特にここでお断り申し上げます。
〈了〉
あとがきとお詫び
今回塩蔵様から頂いたお題は「日本でメンテ中、大災難ピュンマ」でした。うわ、面白そう(はあと)とばかりに速攻でお引き受けしたものの、自他共に認める理数オンチの頭の中に、そうそうメンテがらみのネタなんざ浮かびゃしねぇ。時間ばかりが無駄に過ぎていく中、焦ってパニックになりかけた管理人がふと思い出したのが、フランス在住の従妹のことだったのです。
「そーいやあいつ、しょっちゅう『こっちは肌が乾いてどーしよーもないよぉ…』なんて泣きいれてきてたっけ…。そーか、国が変わると肌の状態もそんなに変わるのか…。よし、これは使えるぞっ」
乾燥といえば管理人も悩まされている大問題ですし、まさにこれこそ天の声というものでございましょう。そこで、「メンテで生身の肌になったはいいけど、他のみんなと違って高温多湿の国出身のピュンマ様には日本の冬はあまりに乾きすぎていて…」という線で書き始めた、そこまではよかったのですが…
最終話、石原先生の解説にはやはり具体的なデータを入れたい。そこで何の気なしにネット検索、各国の湿度を調べてみたならば。ああ、みたならば。
「どこの国もみんな、とんでもなく湿度が高いじゃねーかよオイっっっ!!」
これでは「他のメンバーさんたちはみんな冬の湿度が低い国の出身だから平気だった」という前提そのものが崩壊してしまいます。「てめぇ、大ウソこいてんじゃねぇよこのアマっ!!>従妹」…国際電話で怒鳴りつけてやりたい気持ちはともかく、このままでは話自体が成立しません。顔面蒼白、再度大パニックに陥った管理人が逃げ道探して必死にネットサーフィンした結果。湿度だけではなく気温の問題まで引っ張り出してどうにか辻褄合わせには成功、しかし広東(この話では広州)出身の張大人だけはどうしようもなく、苦し紛れに「子供の頃に北京に移った」というでっち上げをつけ加えてしまいました。
塩蔵様、このような問題大アリの献上物を快くお引取り下さいましてどうもありがとうございました。もしお懲りなくばこれからもどうぞよろしくお願い申し上げます(平伏っ)。